＜第３幕＞
第１場/アンカストレム伯爵の部屋
妻の裏切りに怒りが収まらないアンカストレム伯爵は、妻のアメーリアに死を迫る。どんな言い訳も聞き入れてもらえないと悟ったアメーリアは、死ぬ前にせめて息子に逢わせてほしいと懇願し部屋を出た。伯爵は国王の肖像画に向かい＜お前が彼女の心を汚したのか＞と歌い、裏切り者への怒りと、妻への切ない感情を露わにした。そこへ反逆者一味のリッビングとホルンが入って来た。国王に復讐することを誓った伯爵は、反逆者２人に国王暗殺への仲間入りを申し出ると、誰が暗殺を実行するか話し合う。そこへちょうどアメーリアが戻って来たので、彼女にくじを引かせ、暗殺者を決めることにした。アメーリアが引いたくじには、夫である伯爵の名が書かれていた。その時オスカルが、仮面舞踏会の招待状を持ってやってくる。反逆者達は暗殺の場を仮面舞踏会の会場に決め、合言葉として「復讐」を決める。国王の身を案じるアメーリアなどによるコンチェルタンテ。
第２場/国王グスターヴォ三世の書斎
国王は、やはり腹心であり親友でもある、アンカストレム伯爵を裏切るような恋は諦めようと、彼を家族と共に、遠く離れた国外に就任する手はずを整えることとした。そして＜永遠に君を失わん＞と、アメーリアへの想いを切々と歌う。そこへオスカルがやってきて、国王に１通の手紙を渡す。それは仮面舞踏会での暗殺計画を知らせる匿名の手紙であったが、国王は最後にもう一度愛するアメーリアに逢いたいと思い、舞踏会への出席を決意する。
第３場/舞踏会の会場
華やかな仮面舞踏会の会場には、アンカストレム伯爵や反逆者達も紛れ、国王の暗殺の機会を窺っている。伯爵はオスカルに、国王がどんな仮装をしているか尋ねるが、勘のいいオスカルはとぼけて教えない。しかし緊急の要件だという伯爵の説得で、「黒マントでピンクのリボン」と漏らしてしまう。メヌエットが流れると、アメーリアが国王に近付き危険をそっと知らせる。国王とアメーリアとの情熱的な二重唱が終わろうとするとき、背後から伯爵が現れ、国王にピストルを発射する。取り押さえられマスクを剥がされた伯爵は、非難を浴びる。瀕死の国王は伯爵にこう言った。「私は確かにアメーリアを愛していた。しかし彼女は潔白だ。君達を遠く離れた国外に栄転しようと思っていたのだ..」と。そして懐から栄転の書類を取り出し伯爵に渡すと、祖国、友人、兵士たちに永遠の別れを告げ絶命する。（幕）
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