第3幕 第1場/ファニュエルの家
 占い師のファニュエルが一人「ジャンは人間なのか神なのか」と思い悩んでいる所へ、エロディアード王妃がやって来て「王を夢中にさせている恋敵と、私の星を占ってくれ」と言う。ファニュエルが「相手の女性サロメは、貴女の捨てて来た娘ですよ」と告げると、エロディアードは「そんなはずはない!」と激しく否定し帰って行った。ファニュエルは「それでも母親なのか…」と溜息を吐いた。
第2場/寺院内
 予言者のジャンは、ローマ総督ヴィテリウスにより寺院内に捕えられていた。ジャンを捜しにやって来たサロメは、苦しい胸の内を「この苦しみ! Je souffre」と嘆き歌った。サロメはそこでエロド王と顔を合わせるが、彼女の愛を得ようとしつこく迫る王にうんざりしたサロメは、激しくこれに抵抗した。寺院には人々が集まり始め、大祭司が祈祷を促す。祭司たちは総督ヴィテリウスにジャンの処刑を求めたが、ヴィテリウスは「ユダヤの掟に関しての処罰は、エロド王に託そう」と言い、王に権限を与える。初めはジャンを救おうと思っていた王だったが、サロメが必死でジャンの命を救おうとしている姿を見て、彼女がジャンを愛していると分かり、激しい嫉妬心からジャンの処刑を宣言してしまう。
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