第3幕
シーン1~9 テゼ王の宮殿
フェードルは自責の念にかられながらも、愛の神ベェヌスにイポリートへの愛が受け入れられるように祈り「愛の神の残酷な母君」と歌う。そこに現れたイポリートはアリシのことでフェードルを怒らせたことを謝罪し、改めて忠節を誓う。するとフェードルはそれをイポリートの愛の証だと誤解し「王位、息子そして母」を捧げると歌う。フェードルの真意が分からないイポリートは王位を断り、フェードルの実の息子の王位継承を支持し、自分が望むのはアリシだけだと告げる。嫉妬に震えるフェードルは「アリシは敵だ!」と口走る。ようやく真意に気づいたイポリートは「身の毛もよだつ罪である」とフェードルを拒絶する。絶望したフェードルは死を覚悟し、イポリートの剣を奪い「私の悲劇を終わらせよ!」と執拗に迫る。そこにテゼ王が黄泉の国から帰還し、イポリートとフェードルの争いを目撃する。王は愕然として、妻を問いただすが、フェードルは説明もせずに去っていく。一方高潔なるイポリートは真相を話す事を拒み、国外追放を望む。そしてフェードルに仕えるエノーヌはイポリートの罪だと偽証する。そこに家臣達が現れ、王の生還を祝う。家臣達が帰るや、テゼ王は最後の願いとしてイポリートの処罰をネプトゥーヌに祈り「万能の潮の主」と深い苦悩を歌う。海が荒れ神は願いを聞き入れる。
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