第2幕 第1場居酒屋
夫のジェロニーオと詩人のプロスドーチモが酒を飲んでいる。そこへ太守セリムがやってきて、ジェロニーオに、大金を出すので妻を自分に売らないかと持ちかける。ジェロニーオはその要求をはねつけ、殺してでも奪ってやると脅迫するセリムにも引き下がらない。二人はにらみ合いながら退出する。セリムを待つフィオリッラ、そこへセリムの名でフィオリッラが呼び出したジプシー女のザイーダ、つづいてセリム太守が入ってくる。フィオリッラは、セリムに自分を選ばせ、ザイーダに勝利を見せ付けるつもりであったが、セリムはそんな二人を前に決心がつかない。怒ってその場を去るザイーダ。フィオリッラも心中穏やかではないが、セリムに言いくるめられ二人で出て行く。そこに入ってきたジェロニーオに詩人のプロスドーチモは、フィオリッラが今夜の舞踏会で仮面をつけたセリムとともに逃走しようとしていることを告げる。そこでザイーダがフィオリッラに、ジェロニーオがトルコ人に変装し舞踏会に乗り込むことにする。それを立ち聞きしていたナルチーゾは、自分もトルコ人のいでたちで舞踏会へ行くことを決める。

第2場 舞踏会会場
自分の情人ナルチーゾを太守セリムだと思い込むフィオリッラ、ジプシー女のザイーダをフィオリッラと思い込むセリム。そこへ登場する、セリムに変装した夫のジェローニオ。一同は大混乱に陥る。セリムはフィオリッラだと思いザイーダを、フィオリッラはセリムだと思いナルチーゾを伴い逃げ出す。二組は別々に分かれて逃走する。

第3場 海辺
自分の過ちを悔いて、セリムの船を見つめるフィオリッラ。夫のジェローニオと詩人のプロスドーチモが現れ、詩人の仲介で二人は和解する。太守セリムとザイーダがジプシーたちとともに現われ、つづいてナルチーゾが姿を現す。こうして全員は互いに許しあい、詩人が最高の筋書きの完成を高らかに宣言。太守セリムとザイーダが船に乗り込み幕となる。
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