第2場 カルドーラ城の庭園
救済された海賊たちがカルドーラ城の庭園で宴に興じていると、イトゥルボが皆を制し、海賊達は退席する。そこにイモージュネが現れ、先程の遭難者を連れて来るように命じる。やって来た遭難者はマントに身を包み、顔を伏せている。イモージュネは「何故一人、苦痛な様子なのですか」と尋ねる。すると遭難者は「邪悪な運命に全てを失ってしまったのだ」と答える。イモージュネが「貴女より不幸な私のために祈って下さい」と歌い立ち去ろうとすると、遭難者は耐えきれずに正体を明かす。それは死んだはずのグワルティエーロであった。イモージュネは我を忘れて駈け寄るが、すぐに気を取り直し危険なエルネストの宮殿から逃げるように警告する。グワルティエーロは悲痛な面持ちで「何故エルネストの妻になってしまったのか」と詰め寄る。イモージュネは「父親を救うためにやむを得ずエルネストに従った」と告げ、二重唱「君のために苦しめられたこの心を」と歌う。そこに女官がイモージュネの息子を連れてくる。激昂するグワルティエーロは、エルネストの面影を宿す息子を短剣で刺し殺そうとするが、やはり子供を手にかけることは出来ない。互いにやり場のない苦しみを「ああ!行きましょう、私の苦しみを」と二重唱し、グワルティエーロは走り去る。
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