第8景
イオランタと見知らぬ若者が一緒にいることに気づいた王やマルタが慌ててやって来る。「迷い込んで参りました」と挨拶するヴォルテモンに、王は「何も話さなかったか?」と詰め寄る。するとイオランタが「目の見えない私に光を教えて下さいました」と答えるので、王は「なんたる罪!」と激怒する。それを聞いていた医師ハキアは「罪ではない。これで姫は見えるようになる!」と王に進言する。ついに王も自分の間違いを認め「医師を連れて来たが光が見たいか?」とイオランタに問いかける。するとイオランタは治療を怖れ躊躇するので、王は「治療に失敗したら、ヴォルテモンを無断侵入の罪で死刑にする」と告げる。驚いたイオランタは、どんなに辛い治療でもヴォルテモンのために耐える覚悟を決める。ヴォルテモンは「たとえ目が治らなくても生涯あなたのものです」と歌い、イオランタは「愛しい騎士様生きて下さい。私は必ず目を治します!」と答え愛の二重唱となる。
フィナーレ
医師ハキアとイオランタは治療のため別室に向かう。王はヴォルテモンに向かい「わしはそなたに嘘をついた」と告白し、処刑と言ったのはイオランタに治療への強い意志を持たせるための方便だったと詫びる。ヴォルテモンは改めてイオランタを妻にしたいと申し出るが、王は「イオランタには許嫁(いいなずけ)がいる」と申し出を断る。するとそこに援軍を連れて友人のロベルトが到着する。ロベルトはレネ王の姿を見るなり、先程の娘が許嫁のイオランタであることを悟る。そして王に向かい「婚約は子供の頃の約束で、今はマチルダと言う女性を愛しています」と告白し婚約破棄を願い出る。王も婚約破棄を認め「もしイオランタの視力が戻ればヴォルテモンとの結婚を許そう」と告げる。喜ぶヴォルテモンはたとえイオランタの目が治らなくても生涯を捧げますと誓う。その時使者が、治療が終了したことを知らせに来る。ハキアに手を引かれたイオランタは庭園で目隠しをはずされると「ここは何処なの?」と怖がり、聞き覚えのある声を捜し「お父様、お守り下さい」と走り寄る。王は「わしはもう老いた」とヴォルテモンに姫を委ねる。愛する二人は太陽に輝く自然の中で、「光は命の泉、生の源に栄光あれ!」と歌う。皆もこれに和しめでたく幕となる。
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