第2幕 神殿の奥にある生贄の部屋
第1〜2場
オレストとピュラートはお互いを鎖で繋がれ、暗闇の中で運命の判決を待ち受けていた。ピュラートは「何恐ろしい沈黙よ!英雄の魂を凌駕する死の力か?」と歌う。オレストは「神は私に母殺しの罪を与えただけでは飽き足らず、唯一無二の親友まで死の道連れにしようというのか!」と嘆く。そこに神殿の祭司と衛兵が現れて、二人を引き離す。オレストとピュラードは「迫りくる死を我らは共に迎えるのだ」と訴えるが、ピュラードは連行され残されたオレストは絶望する。
第3〜6場
死の狂気の中に喘ぐオレストの前に復讐の神々が現れ、パントマイム、合唱と踊りでオレストの母親クリテムネストル殺しの罪を糾弾する。オレストは地獄の責め苦に慈悲を乞う。その時、イフィジェニーと祭司達が現れ復讐の神は消え去る。オレストは現れた女祭司長が自分によく似ていることに驚く。一方イフィジェニーは若者がミケーネ出身と知り故郷の様子を訊ねる。オレストは「ギリシャの王アガメムノンは、妻クリテムネストルによって殺害されました。その上復讐の神はこのおぞましい罪の償いとして、クリテムネストルの息子オレストに母殺し(父親の復讐)という罰を与えたのです。王家は今、エレクトラ姫だけが生き残っています。」と語る。イフィジェニーはここまで聞くと悲嘆にくれ「ああ!なんという悲運。祖国も、王も血族も失った」と嘆き、祭司達は「もうどこにも望みは無い」と歌う。生贄の儀式の支度が始まり、イフィジェニーは「私の悲しみが届きますように!」と歌い神に祈る。
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