【基礎データ】
イェヌーファ《彼女の継娘》
Jenufa-Jeji pastorkyina
作曲:レオシュ・ヤナーチェック/Leos Janacek(1854~1928)
台本:作曲者 チェコ語
原作:ガブリエラ・プライソーバ/Gabriela Preissova(1862~1946)戯曲「彼女の継娘/Jeji pastorkyna」
初演:1904年1月21日、ブルノ、国民劇場/Brno Theater
演奏時間:(第1幕31分,第2幕50分,第3幕31分)合計1時間52 分
楽器編成:(ブルノ版)
3Fl,3Ob,3Cl,3Fg/4Hr,3Tp,3Tb,Tub/Tim,2Perc/Glock,Hp/Str
Banda: 2Hr,KinderTp,Xyl,Glock,Str(11111)
概説:「イェヌーファ」はヤナーチェックの転機となった3作目のオペラであり、この作品の成功によって彼は世界的な作曲家に名を連ねることになる。ヤナーチェクは「イェヌーファ」の初演にプラハ国民劇場を希望していたが、オペラ部長のコヴァジョヴィツと確執があったことから拒否される。そこで友人の尽力を頼みに、度重なる交渉の結果、コヴァジョヴィツの要求を受けて改訂を行い、初演から12年後の1916年にようやくプラハの上演を実現させた。以後この改訂稿での演奏が一般的になり、ヤナーチェクが上演を希望し続けた「ブルノ版1908年」は1996年にやっと複元出版された。また「イェヌーファ」は彼の実生活においても意味深い作品で、「公演まで生きられない」という実の娘オルガの死の床でヤナーチェックがピアノで全曲を弾いて聴かせ、娘の死後「オルガの思い出」に捧げられている。「赦し」を乞う3幕のコステルニチカの台詞はまさにヤナーチェック自身の痛恨の叫びであった。田舎社会と宗教的偏狭な道徳観念に縛られる人々の心の葛藤が痛いほど胸に迫る傑作である。
by MI
最終更新:2009年7月2日
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