<第2幕>
第1場/カバノフ家の一室  カーチャとヴァルヴァラが縫物をしている部屋で、カバニハが「家の嫁は夫が長旅に出ているのに、悲しむ素振りもないよ!」と忌々しそうに言い立ち去る。ヴァルヴァラはカーチャに「私恋人と密会するために、庭の木戸の鍵をこっそり持って来ているのよ。これをあなたに預けておくわね。」と意味あり気に鍵を渡すと、部屋から出ていった。その鍵を自分で使うことを想像して、カーチャは「そんな恐ろしいこと出来ないわ!」と鍵を窓から河目掛けて投げ捨てようとするが、その時姑カバニハの声が聞こえるので、カーチャは咄嗟に鍵をポケットに入れてしまう。すると今度は密会への扉の鍵を手に入れたのだと、カーチャの心は期待で膨らんでいく。カーチャが立ち去ると、軽く酔ったヂコイがカバニハを口説きながら入って来るが、彼に全く気のないカバニハは、まるで取り合わなかった。
第2場/カバノフ家の庭
 その日の夜。クドリャーシが恋人のヴァルヴァラを待ちギターを弾いている所へ、ボリスがやって来た。「こんな所で何をしているんだい?」と尋ねるクドリャーシに、ボリスは「ヴァルヴァラからここに来るよう言われたんだ」と答える。カーチャとの密会を悟り、再びボリスに苦言を呈するクドリャーシだったが、やって来たヴァルヴァラはボリスに「ここで待っていてね」と言うと、クドリャーシを連れて木戸の前の道を下っていった。そこへカーチャが現れる。ボリスは彼女の顔を見るなり自分の感情を抑え切れずに、彼女の手を取り愛を告白する。初めは抵抗する素振りを見せていたカーチャだったが、相手は密かに想っていたボリス..すぐに彼の愛を受け入れ抱き合った。ヴァルヴァラが戻って来て「あっちにいい場所があるわよ」と言うので、2人は手を取り合いそこへ向かう。その後ヴァルヴァラが頃合いを見計らって「そろそろ帰らなければ..」とカーチャを呼びにいき、女2人は木戸を通り抜けこっそりと帰っていった。
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