【あらすじ】
時と所:大西洋に浮かぶ無人島
第1幕/無人島の海岸
海岸の岩場に、コスタンツァとシルヴィアという二人の姉妹がいる。姉のコスタンツァは岩に何か文字を彫っていて、妹のシルヴィアはそれを見ながら「お姉様は何故いつも悲しそうにしているの?」と尋ねる。コスタンツァは十三年前の新婚旅行中、嵐を避けるために立ち寄ったこの無人島に妹と共に置き去りにされ、今日も夫への恨みや遺書めいた文を岩に彫っていた。まだ幼い頃にこの島へ来た世間知らずの妹シルヴィアは、島の大自然の中で伸び伸びと育ったせいか、何故姉が毎日そんなに泣き暮らしているのか今一つ理解できないようだった。そんな妹にコスタンツァは「いい?世の中には女を泣かせる酷い男がいるのよ!」と忌々しそうに言い、その場を立ち去った。すぐに姉の後を追おうとしたシルヴィアは、その時岸に着いた船から二人の男が降りて来るのが見えたので、さっと藪の中に身を隠した。男の一人はコスタンツァの夫ジェルナンド。実は彼は妻を見捨てたのではなく、島に上陸した際妻と離れた隙に、海賊に襲われ連れ去られていたのだ。もう一人の男は、同じくどこかで海賊に捕えられ奴隷にされていた友人のエンリーコ。二人は共に海賊の許を逃れ、エンリーコはジェルナンドの妻探しに協力するため一緒にこの島を訪ねて来た。シルヴィアは「あれがお姉様の言う酷い男ってやつかしら。でもちょっと素敵…」とエンリーコを見て呟いた。
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