第5幕/ホテルのパーティー会場
さすがに今までのことが全て嘘だったと気付いたゴンドルマルク男爵は、夜中にブラジル人主催の本物のパーティーに出かけて行った。ここでとうとう憧れのメテラと会う約束だった。ところがメテラはこのパーティーに、男爵だけでなくかつての恋人ギャルドゥフーとその友人ボビネ、ボビネの叔母カラデック夫人と姪のジュリィ、男爵夫人のクリスティーヌまで集まるのが分かっていた。メテラはまず男爵と話し、私の心は別の人を想っているので、あなたのものにはなれないと言う。メテラはショックで泣き出す男爵に「替わりにあちらにいる私の友人を紹介するわ」と言い、仮面をつけた女性3人を指差した。勿論それはクリスティーヌ、カラデック夫人、ジュリィの3人だった。男爵はそれが自分の妻とは思いもよらず、他の人なんて嫌だ..と断るが、3人にパリでの女遊びは危険だと諭され、次第に冷静になっていった。冷静になると今まで騙されていたことへの怒りが湧いてきて、やってきたギャルドゥフーとその仲間達の嘘を責め始める。ところが、それでは晩餐会は楽しくなかった?提督婦人は良くなかった?お酒は美味しくなかった?と皆に次々と聞かれ、よく考えると自分が充分に楽しんでいたことに気付く。すっかり怒りの治まった男爵が振り返ると、そこにはメテラと、仮面を外した妻クリスティーヌが座っていた。全てが妻にばれていたと焦る男爵だったが、そんな男爵をクリスティーヌは赦し、もう帰りましょうとそっと呟く。メテラを見つけたギャルドゥフーは、メテラがまだ自分を想っていることを知り仲直りを申し出る。そしてかつて恋人同士だったボビネとジュリィ、すっかりいい仲となった靴屋フリックと手袋屋ガブリエルのカップルも加わり、パーティーは大いに盛り上る。皆が踊り、歌い、楽しい音楽で大騒ぎの中、幕となる。
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