第2幕第1場 エレナの家の近くの森
反乱軍は戦いに敗れ、森の中の洞窟に再結集している。エレナをどうしても忘れられないジャコモ五世は、再び狩人のウベルトに変装して現れる。「おお、甘美なる炎」。ウベルトは激しく愛を告白するが、エレナは頑なまでにそれを受け付けない。しかしウベルト(ジャコモ五世)は愛の証として彼女に指輪を渡し、もしものときはこの指輪を国王に見せれば国王が救ってくれるだろうと言う。そこに反乱軍の首領ロドリーゴが現れ二人が一緒にいるところを見て嫉妬する。そしてウベルトが国王軍の人間であることを見破り、エレナが必死に止めるのも聞かずに、互いに剣を抜き決闘すべく立ち去る。間もなくロドリーゴが負けたという知らせが届く。
第2場 ジャコモ五世の王宮
国王ジャコモ五世は反乱軍を制圧し、ダグラス卿も捕らわれて国王の前に連行される。ダグラス卿は許しを請うが、国王は厳罰に処す。そこに国王の指輪を持った娘の来訪が伝えられる。国王ジャコモ五世はその場にいた人々を退出させ、自らも自室に戻る。エレナが一人入ってくると、突然竪琴が響き、かつてエレナが湖上で歌っていた「夜明けの歌」が聞こえ、狩人姿のウベルトが現れる。国王とは気が付かないエレナは、ウベルトに父ダグラス卿や恋人マルコムの助命を国王に取りなして欲しいと願う。ウベルトはエレナを優しく玉座に導き、自らが国王ジャコモ五世であることを打ち明ける。そして指輪の約束通り、父ダグラス卿は救うが、マルコムは反逆罪で処刑されると告げる。国王はエレナに自分の愛を受け入れるように言うが、エレナは深く悲しむ。その姿を見た国王ジャコモ五世は、遂に自らの愛を諦め、マルコムも許し、さらにエレナと結婚してダグラス卿の領地を継ぐことを認める。エレナの歓喜の歌「この素晴らしき瞬間に豊かな愛情が」で幕となる。
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