第2幕
スー・チョン国王の宮殿
見知らぬ異国の地で、ヨーロッパから来た美しい王妃リーザは歓迎された。リーザは愛する夫スーのためにも、東洋の風習に慣れようと必死だった。ところがある時、反乱軍との平和条約締結のため、王スーに側室を迎えるという話が持ち上がる。敵方の娘を第2夫人に迎え、戦争による流血を避けるというものだった。ブラトンガに来てから病弱になりがちだったリーザは、後継ぎを授かることが難しかったため、国の権力者であるスーの伯父チャンも、側室には乗り気だった。長期静養の地でこの噂を耳にしたリーザは、宮殿に戻るなりスーにその真意を問い正した。するとスーは、「この国では側室は当たり前。しかし形式だけで、妻への愛は変わらない」とリーザに理解を求めてきた。その上「側室を迎える儀式にも出席するように」「この国で女は、君主に従うただの'物'である」とまで言われる。リーザは深く傷つき、この国にやって来たことを心から後悔するのだった。そして異国の風習や考え方の違いにとてもついていけないことを悟り、激しく望郷の念に駆られる。(「故郷をもう一度見たい」を歌う) しかし故郷ウィーンへ帰ることをスーは許さず、リーザは宮殿に閉じ込められることになる。
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