第2幕 宮廷
宮廷ではナイチンゲールの歌声を皇帝に披露するために侍従達が準備に追われている。煌びやかに飾られた宮廷に、天蓋付きの椅子に座った皇帝がお供の者達に担がれて現れる。内大臣が「皇帝、これがナイチンゲールでございます」と紹介すると、ナイチンゲールは「喜び満ちた心、花の香りの満ちた庭。心の憂いを愛すべきあなたの為にそっと拭いましょう」と歌う。感激した皇帝は望みの褒美を取らせると告げるが、ナイチンゲールは「私の歌を聞いて流された皇帝の涙よりほか望むものなどありません」と答える。するとそこに日本の使節団が到着し、日本の天皇から中国の皇帝に贈られた機械仕掛けのナイチンゲールが献上される。一同は(オーボエで演奏される)機械仕掛けのナイチンゲールの力強い音色に聴き入る。贈り物に満足した皇帝は、もう一度本当のナイチンゲールの歌と聞き比べようと辺りを見回すが、すでにナイチンゲールは何処かに飛び去ってしまっている。怒った皇帝は機械のナイチンゲールを第一位とし、寝室に据え付けるよう宣言する。夜は更け、静まりかえった宮中に、漁夫の歌声が響いてくる。「死は暗闇に星を隠し、永遠の墓場に封じ込めてしまう。ナイチンゲールの歌声だけが死を滅ぼし、星を解き放つ」と。
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