第2幕 第1場/礼拝堂
ブランシュとコンスタンスは、亡くなった修道院長クロワシーの棺の番をしている。鐘が鳴り交代の時間となったので、コンスタンスが次の担当者を呼びにいくと、ブランシュはすぐ横に見えるクロワシーの真白い死に顔に恐怖を覚え、思わず棺の側を離れてしまう。そこへ副修道院長のマリーが現れ、棺から遠く離れ扉の近くにいるブランシュをたしなめるが、すぐに臆病者の彼女には仕方ないことだと思い直し、ブランシュに部屋へ戻る許可を出す。
<幕前劇>
ブランシュとコンスタンスが、棺の中に入れる花の準備をしながら、次期修道院長が誰になるかと話している。コンスタンスは副修道院長のマリーが有力なのではと言い、その後修道院長クロワシーの亡くなる間際の話を始める。彼女は錯乱状態になった時の気弱なクロワシーは、誰か別人だったのだと言い、替わりにその人が神に召される時には、凛とした立派な態度で死んでいくのだろうと言った。
第2場/修道院の訓戒室
新修道院長にはリドワンヌが選ばれた。リドワンヌは全修道女を集めると就任の挨拶をし、クロワシーの死を悼んだ。そして「彼女の教え通りに、これからも神に祈りを捧げ続けましょう!」と力強く語り、修道女たちは一斉に祈り始めた。
<幕前劇>
修道院入口のベルが鳴らされ、ブランシュの兄が妹との面会に訪れる。彼を迎えに出たコンスタンスが、新修道院長のリドワンヌにそのことを告げると、リドワンヌは副修道院長マリーの立ち会いの許でならと面会を許可する。
第3場/修道院の応接室
ブランシュの兄は、久しぶりに妹に逢えたことを喜び彼女に駆け寄るが、ブランシュの態度は何故かよそよそしい。それどころか自分と目も合わせてくれない妹に、気持ちはすっかり暗くなる。兄は妹の冷たい態度を少し責めた後、今や修道院も安全な場所ではないことを父が心配していると告げるが、ブランシュは「自分は神に仕えてから変わったのだ」と、修道院から出る意志のないことを兄に伝える。兄が帰った後、ブランシュは兄が自分の気持ちを理解してくれないことを悲しみ、陰で全てを聞いていたマリーはブランシュを慰めた。
第4場/修道院の聖具室
礼拝堂の神父が、修道女たちにミサを続けることが不可能になったと告げる。宗教の弾圧が本格的となり、とうとう集まりも禁止されるようになったのだ。神父の身を案じたブランシュが彼を引き止めると、神父は「一般市民の服装になるから大丈夫だよ」と彼女に言い立ち去るが、すぐに兵士と群衆から逃れるために戻って来る。しかし自分がここにいては皆にも危険が降り掛かると、また裏口から出ていった。程なくして修道院の入口のベルが鳴り、警部など警官たちが大勢詰め掛け、建物の明け渡しと宗教活動の禁止を言い渡した。服装も市民と同じにするよう法律で決まったと言う。彼らが去った後、ジャンヌ修道女長は「修道院長がパリへ連行されました」と皆に告げ、持っていた王様の陶器人形を見せた。そして「この王様から強い力が貰えるはずです!」と、いちばん若いブランシュに人形を手渡したが、ブランシュは手が震えてそれを床に落とし壊してしまう。ブランシュは「もう王様はいなくなってしまった!残されたのは神の子羊のみ..」と涙を流した。
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