【あらすじ】
第1幕 薬局とその中庭 
薬剤師の弟子であるメンゴーネが薬の調合をしている。店主のセンプロニーオが後見する娘グリレッタに近づくために、薬剤の知識もないのに弟子入りしたのだ。一方店主のセンプロニーオは、弟子のメンゴーネや町の人々に新聞を読み聞かせては大いに語っている。(交響曲の父と異名をとるハイドンらしく、時にはっとするほど美しい管弦楽の奏でに支えられて、ただの新聞記事はドラマティックに、詩情豊かにに歌い上げられる。愉快でユーモアあふれるこのドラマ・ジョコーソが活き活きと幕を開ける。)そこに客として若い男ヴォルピーノがやって来る。実は弟子のメンゴーネだけでなく、薬剤師のセンプロニーオも客のヴォルピーノもグリレッタに夢中で、我こそ恋人になろうとやっきになっている。やっと意中のグリレッタと二人きりになれたヴォルピーノは愛の告白をする。しかしグリレッタはメンゴーネに想いを寄せているので、相手にされない。ヴォルピーノは失恋の痛手とふられた怒りをぶちまける。帰り支度の外套をひるがえし、出陣するかのように勇ましく悲愴感に満ちたアリアをズボン役ならではのヒステリックな響きで歌いきる。ヴォルピーノが帰るとメンゴーネが仕事をしている薬局にグリレッタが現れる。後見人のセンプロニーオがいるにもかかわらず、メンゴーネに近づき気を惹こうとする。メンゴーネもこれに応えてキスもしかねない二人。センプロニーオは気がきではなく、二人を監視したり邪魔をしたりするが、ついに抱き合う二人。怒ったセンプロニーオは二人を引き離し、追い払う。
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