第2場/ロンドンのみすぼらしい屋根裏部屋
ルルとアルヴァは、シゴルヒと共にロンドンに逃れていた。しかしお金がないので、ルルが体を売って生活費を稼がなければならない。最初の客は偉そうな教授で、教授がルルにお金を渡して帰ると、そこへ伯爵令嬢ゲシュヴィッツが現れた。彼女はお金はないがこれを..と言い、かつてルルの住む家に必ず飾られていた、ルルの肖像画の画布を見せた。ルルはそんな物見たくもないとそっぽを向いたが、アルヴァとシゴルヒはその頃の眩いばかりのルルを描いたその絵に見とれ、それを壁に貼る。するとルルは止めるアルヴァを制し、ゲシュヴィッツと共に再び外へと客引きにいった。今度は黒人の男を連れてきたが、その男は前払いをしないでルルを抱こうとするのでルルと揉め、騒ぎを聞きつけ止めに入ったアルヴァが男に殴り殺されてしまう。シゴルヒが死体を片付けている間に、ルルはこんな所にはいられないとまた外へ出る。先に1人で部屋へ戻ってきたゲシュヴィッツは、シゴルヒが下の飲み屋にいると言い出ていくと、ルルの冷酷さにはもう耐えられないと自殺を考え始めた。そこへルルが客のジャックを連れて部屋へ入って来た。ルルはゲシュヴィッツを妹だと紹介したが、ジャックはすぐに、彼女がルルを愛するレスビアンだと見抜く。その後ルルとジャックはお金のことで揉めていたが、ルルがもうお金などどうでもいいわとジャックを寝室へ誘い、それを見たゲシュヴィッツは「やはりドイツに戻り人生をやり直そう」と決心する。その時寝室からルルの悲鳴が聞こえる。ゲシュヴィッツが驚き扉の方を見ると、中から血だらけのナイフを持ったジャックが出てきた。ジャックはロンドンで何十人もの女性を殺している殺人鬼だったのだ。(実在の人物が基になっている) ジャックはその場にいたゲシュヴィッツをも刺し、ふらりと去っていった。ゲシュヴィッツは瀕死の状態になりながらも「愛するルル、私の天使!」と言いながら、ルルの側にいこうと寝室の方へと這っていき、その途中で力尽き事切れる。(幕)
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