【基礎データ】
マノン/Manon
作曲:ジュレ マスネ/Jules Massenet(1842~1912)
原作:アントワーヌ・プレヴォ/Antoine Prevost(1697~1763)
「ある貴族の回想と冒険」より第7巻「騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語」
台本:アンリ・メイヤック/Henri Meilhac(1831~1897),フィリップ・ジル/Philippe Gille
(1831~1901)
初演:1884年1月19日、パリ、オペラ・コミック座
演奏時間:2時間41分(第1幕40分、第2幕25分、第3幕57分、第4幕22分、第5幕17分)
楽器編成:2Fl(Pic),2Ob(EH),2Cl,2Fg/4Hr,2Tp.3Tb/Tim,perc/Hp,Org/Str
概説:「マノン」はプレヴォーの全7巻からなる小説の最終巻「騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語」を原作としている。同小説を原作としたプッチーニの「マノン・レスコー」よりも原作をはなれて、百年以上も前に書かれた原作の世界をマスネの音楽世界に取り込んでいる。原作を簡素化し、社会批判的な要素は排除して、本来の主人公で語り手であるデ・グリューの細かい心理描写よりも、若さと天性の美貌で輝くマノンが、その奔放さゆえに自ら滅んで行くさまを、甘美に情熱的に、そして憐れに浮かびあがらせている。オペラの形式をオペラ・コミックとし、物語の進行をレチタティーヴォによらず、フランス語の自然な美しさを活かした語りとオーケストラの巧みな音楽効果にまかせることで、原作の時代色をより鮮明に表現している。フランスオペラを代表するこの作品はオペラ・コミック座で人気のレパートリーになり、70年余りの間に2000回以上の公演記録を打ち立て、現在なお世界中で公演されている。
by MI
最終更新:20090818
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