仮面舞踏会
Un Ballo in Maschera
ヴェルディ
Giuseppe Verdi
伊/1813-1901
初演:1859年2月17日/ローマ・アポロ劇場
原作:劇作家スクリーブ/Eugene Scribe(1791-1861)の「グルタフ三世または、仮面舞踏会」
台本:伊語/アントニオ・ソンマ/Antonio Somma(1809-1865)
演奏時間:第1幕50分/第2幕30分/第3幕47分/合計約2時間
楽器編成:
2Fl(1Picc持替え),2Ob(1コール・アングレ持替え),2Cl,2Fg/4Hr,2Tp,3Tb,B.Tuba/Timp,Perc/Str
他に舞台上にBanda,6Vn1,2Vn2,2Va,2Vc,2Cb
概説:
歌劇「仮面舞踏会」(ヴェルディ)
 これはスウェーデン国王グスタフ3世が、政治的な対立のために、アンカルストレーム伯爵にピストルで暗殺された実話を基に、伯爵の妻と国王の秘めたる不倫の恋を、フィクションとして絡ませたもので、フランスの劇作家スクリーヴの戯曲によっている。だが初演を予定していたナポリでは、独立運動が盛んだったため、実際の国王暗殺を描いたオペラは、官憲の神経を逆なですることになり、初演の場をローマに変え、しかも舞台をスウェーデン宮廷から、アメリカのマサチューセッツ州ボストンに設定し、主人公も国王ではなく、総督のリッカルドに変更するなど、検閲逃れの万全の手を加えての上演であった。内容的にはヴェルディの中期を代表する傑作になり、カヴァティーナ、カバレッタの類型的なアリアは姿を消し、より雄大なアリオーソに変貌し、一段とスケール・アップしているのが特色になっている。
(C) 出谷 啓
最終更新:2009年3月22日
RETURN
オペラ名曲辞典TOP