メデ
あらすじ
コルショス王アエテの娘で妖術を操る巫女メデは、愛の神の仕業により、父アエテの金羊毛皮を奪いに来たテッサリアの王子ジャゾンに恋をしてしまう。メデは護衛の竜を妖術で眠らせ、弟をも殺害して金羊毛皮を奪い、ジャゾンの故郷テッサリアに同行する。そして策略によって王位に就いていたジャゾンの叔父ペリアースに復讐を企てるが、発覚し逃亡する。メデとジャゾンはコリントに身を寄せ、二人の息子を儲け幸せに暮らしていた。しかし時が経ち、ジャゾンはコリント王クレオンの娘クレユーズ王女と愛し合うようになり、クレオンも王女とジャゾンの結婚を国の繁栄の為に利用しようと考える。
プロローグ 鄙びた岩山
羊飼いと民衆に呼ばれ、勝利の女神、栄光の女神、戦いの女神ベローヌが現れる。羊飼いの恋の歌、戦いの合唱、ルール、カナリー、メヌエット、パスピエの四種の踊りが披露され、ルイ14世を讃える。
第1幕 凱旋門のあるコリントの広場
第1~3場
メデが侍女のネリーヌに向かい、ジャゾンの心変わりを嘆き「もしジャゾンが裏切るつもりなら、メデの力を思い知らせよう」と歌う。ネリーヌは「激しい怒りは確実な復讐さえも仕損じます。」と宥め二重唱となる。ジャゾンが登場し「息子たちの安全をコリントの王クレオンが約束した。クレユーズ王女には(メデの先祖伝来の宝)太陽の光輝く衣を差し出そう」と歌う。堪りかねたメデが、ジャゾンとクレユーズの関係を疑うと、ジャゾンは「王を味方につけておくためにしていることが、あなたを傷つけるなら王女にはもう会わない」と反論する。仕方なくメデはジャゾンの提案に同意する。しかし「私が貴方を信じられなくなった時、天の怒りも及ばないことを忘れないように」と歌い去って行く。ジャゾンは腹心の部下アルカスを前に「抑えられない王女への愛に支配され、メデの愛が辛い」と告白する。アルカスはメデの絶大な力を忘れてはならないと警告する。民衆の合唱が「不吉な警告よ、立ち去れ」と歌う。
第4~6場
コリントの王クレオンはテッサリアとの戦いのために、援軍を率いてやって来たアルゴスの王子オロントを歓迎する。オロントはクレユーズ王女への愛と、コリントの為に戦う決意を表明する。クレオンとジャソンはオロントを称え、コリントとアルゴスの民がともに勝利を鼓舞して、ディヴェルティスマンが繰り広げられる。
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