W.A.モーツァルト
オペラ・セリア
ポントの王、ミトリダーテ
Mitridate,Re di Ponto K.74a (87)
序曲と3幕25曲
原作:Racine/ラシーヌの悲劇
Lib:伊/チーニャ・サンティ/Cigna Santi
作曲:1870年9月ボローニャ〜10月ミラノ
初演:1870-12-26ミラノ大公宮廷歌劇場
演奏時間:3時間30分(90,70,50)
楽器編成:2Fl,2Ob,2Fg/4Hr,2Tp/Tim
概説:
ミトリダーテは、小アジアにあったポントス王国の実在の国王、ミトリダテス6世(在位BC120〜BC63年)のことで、周辺諸国との攻防で国力を伸ばし、ローマ人の大量殺戮を行ったとも伝えられ、その強烈な性格と並外れて優れた頭脳で共和政ローマを東から脅かし(第1〜3次ミトリダテス戦争)、最後は息子らとの争いの中、自害した。このオペラは、14歳のモーツァルトのイタリアのオペラ・ハウスへのデビュー作品。ミトリダテス6世を題材としたラシーヌの悲劇「ミトリダート」のイタリア語訳に拠る台本で依頼を受けた。ミラノの大公宮廷劇場でモーツァルト自身の指揮によって初演され、素晴らしい成功となり、上演は20回に渡ったという。モーツァルトはここでオペラを習得し、この成功により、翌年の「アルバのアスカニオ」、翌々年の「ルチオ・シッラ」の注文を受けることになる。14歳の少年の手になるものとは思えない優れた大作であり、現在も上演され続けているオペラ・セリアである。
最終更新:20100719
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