第3幕
第1場/チュニスの庭師の家
ヒュオンと一緒にギリシャ行きの船に乗ったシュラスミンとファティーメは、嵐で海に投げ出された後二人揃ってチュニスの庭師の元へ奴隷として売られていた。ある日二人が自分たちの故郷を懐かしむ歌を歌っていると、空からパックが下りて来て眠っているヒュオンを庭に置き消えた。目を覚ましたヒュオンは突然の再会を喜ぶが、ファティーメから「レツィアがチュニスの首長アルマンソルの宮殿に売られて来ている」と聞き、変装してレツィアを助けに行くことを決意する。
第2場/チュニスの首長の宮殿
宮殿内のハーレムでは首長のアルマンソルがレツィアにしつこく言い寄るが、レツィアは「嘆けよ我が心 Trauere, mein Herz」と歌い頑なにこれを拒否する。それを知った海賊のアブダラが「他の女と替えましょうか」と提案するが、レツィアを痛く気に入ったアルマンソルはそのままレツィアを手元に置くと言う。一方アルマンソルの妻ロシャーナは、宮殿に忍び込んだヒュオンを見初め「レツィアに夢中な夫を彼に殺してもらい、自分は彼と結婚しよう」と誘惑に掛かる。ヒュオンが誘惑に負けることはなかったが、彼にまとわりつく妻の姿を見て憤慨したアルマンソルはヒュオンの処刑を決める。
第3場/広場
広場では火炙り用の薪が積み上げられ、ヒュオンが引き出される。アルマンソルはヒュオンに向かい「レツィアを諦めれば祖国に帰してやる」と言うが、ヒュオンは「レツィアなしでは生きられぬ」とこれを断るので、怒ったアルマンソルは「レツィア諸共処刑してやる!」と叫ぶ。そこへシュラスミンが現れ、嵐で無くしたはずの角笛を吹き出し皆は踊り出す。続いてオべロン王が妻ティターニアと共に現れ「お前たちの揺るぎない愛のお陰で、我々の仲も戻った」と言うと、ヒュオンとレツィアをヒュオンの祖国フランク王国へと運ぶ。
第4場/カール大帝の宮殿
無事フランク王国に戻ったヒュオンは、カール大帝の前に跪きこれまでの経緯を語ると、バグダッドの王女であるレツィアを共に連れて来たことを伝える。二人を讃える人々の合唱で幕となる。
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