【基礎データ】
オルランド/Orlando
作曲者:ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル/Georg Friedrich Handel/George Frideric Handel(1685~1759)
台本:無名の詩人。カルロ・シジスモンド・カペーチェ/Carlo Sigismondo Capeceの「オルランド」を翻案。イタリア語
原作:ルドヴィーコ・アリオスト/Ludovico Ariosto(1474~1533)、長編叙事詩「狂乱のオルランド/Orlando Furioso」1516年
初演:1733年1月27日、ロンドン/London,キングス劇場/King’s Theatre
演奏時間:序曲5分,第1幕55分,第2幕48分,第3幕46分,合計約2時間30分
楽器編成:2Fl,2Ob,Fg/2Hr/Str,Vla d'amore/Cemb
概説:オルランド伝説の起源は、778年フランク国王シャルルマーニュがスペインのカタルーニャに遠征したロンスヴォーの戦いまで遡る。この戦いでしんがりを務めた甥のローランが裏切りにあいながらも援軍を呼ばず、誇り高く戦死したという史実を元にして11世紀に(十字軍の鼓舞にむけて敵をイスラム教徒に差し替え)、古フランス語叙事詩「ローランの歌/La Chanson de Roland」」が書かれた。そこからマッテーオ・ボイアルド/Matteo Boiardo(1434~1494)の「恋するオルランド/Orlando Innamorato」(1495年初版)という膨大な叙事詩が生まれ、その続編という形で1516年アリオストが叙事詩「狂乱のオルランド/Orlando furioso」を発表した。ヘンデルは「狂乱のアリオスト」に、既存の台本(カペーチュがスカルラッティのために書いたもの)を取り入れオペラ制作をすすめた。レチタティーヴォ部分をカペーチェ版の半分ほどに削り、その一方でヘンデルの根本的な道徳観念を担う人物として、新しいキャラクターである魔法使いゾロアストロを登場させた。幻想世界の物語でありながら、登場人物たちが訴えて来る命の息吹が、現代の私達に生きる意味を問いかけて来る。
最終更新:2009年10月24日
by MI
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