第3幕 森の中
メドーロがドリンダの元を訪れ「アンジェリカから貴女の所に身を隠すように言われた」と話す。そしてメドーロは「私の心はすでにアンジェリカのもの」と歌いながらも、「貴女を愛することは出来ないがないが、やはりかけがえのない人だ」とドリンダを抱きしめる。心乱れるドリンダはメドーロにすがりつき「真実を告げてくれたメドーロを愛し続けます」と歌う。
メドーロが去り、入れ替わりに現れたオルランドは、ドリンダをアンジェリカと思い込み「愛が私達の心を一つにする」と歌う。戸惑うドリンダは「旦那様!」とオルランドの名を呼び逃げて行く。オルランドは「軍神マルスにさえ戦いを挑もう!私はすでに苦悩に押しつぶされ死んだのだから」と叫ぶ。逃げてきたドリンダからオルランドの狂気を知らされたアンジェリカは、オルランドを憐れみ「オルランド、正気に戻ってください」と歌う。一方ドリンダは「愛は幸福より多くの苦悩を運ぶ」と悲しい愛を歌う。混迷する愛僧劇を見かねたゾロアストロは「オルランドを狂気から救う時が来た」と告げる。ついにアンジェリカを捜しあてたオルランドは斧を振り上げ、アンジェリカに向かい果てしない苦悩を歌う。しかしアンジェリカはメドーロがすでにオルランドに殺されてしまったと思いこみ、生きる気力を失い、もはや逃げようとはしない。オルランドはアンジェリカを手にかけ復讐を終えると、激しい睡魔に襲われ深い眠りにつく。その間にゾロアストロと手下達はオルランドを正気に戻すよう魔法をかける。目覚めたオルランドは二人を殺した償いに命を絶つと告げるが、そこにゾロアストロに助けられたアンジェリカとメドーロが現れる。正気に戻ったオルランドを、ゾロアストロとドリンダは「二人の愛のために身を引くように」と説得する。アンジェリカとメドーロは神の祝福を歌い、説得を受け入れたオルランドは運命に勝利したことを祝う。健気にもドリンダは二人の愛を祝福するために皆を招待し、最後に全員が名誉と愛の讃歌を歌い幕となる。
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