第2幕
第1場/地下の隠れ部屋
女王が地下に避難しているパルミーラの人々に敗戦を告げる。やって来た皇帝は「王子を諦め自分のものになれ」と迫るが、それでも尚女王の気持ちは揺るがない。そこへ「アルサーチェ王子がパルミーラ軍の襲撃で逃亡した」と一報が入る。女王は歓喜するが、皇帝は動じることなく即座に追手を手配した。
第2場/丘の上
追手から逃げ伸びたアルサーチェは、羊飼いたちが歌う長閑な丘に辿り着くと「彼女と二人、こんな素晴らしい場所で平穏に暮らせたら」と愛する女王に想いを馳せる。その後オラスぺ率いるパルミーラ兵たちと合流すると、皆で高らかに歌い士気を高め合う。
第3場/占領下の王宮広間
しつこくゼノービアにせまる皇帝の元にプブリアが現れ「アルサーチェに逆襲される恐れがある」と忠告するが、皇帝は全く意に介さない。しかし実際護民官のリチーニオから襲撃の事実を知らされると、「野蛮な者よ、今に冷たい灰しか見えなくなるだろう Altro che il freddo cenere, Barbara,」と怒りを露わにする。
第4場/王宮近くの人気のない場所
月夜の晩。ゼノービア女王とアルサーチェ王子は偶然にも王宮近くで再会を果たし強く抱き合う。しかし再度戦いに敗れた王子はすぐに追手に追い詰められ、自らの命を絶つ覚悟をする。そこへ皇帝が現れ王子の自害を阻止。「お前たちには生きたまま苦しんでもらう」と言い放つ皇帝に、二人は「生きて真実の愛の強さを証明してみせる」と訴え、皇帝の心も僅かに綻ぶ。しかし彼はどうしても二人のことを許すことができなかった。
第5場/王宮広間
プブリアは愛するアルサーチェ王子を救いたい一心で、王子と女王を許すよう皇帝に懇願する。するととうとう皇帝の心も動かされ、ローマへの忠誠を誓うことを条件に二人の解放と国の返還を認める。二人は喜び、祝福の歌声のなか幕となる
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