<第3幕>
二週間後のパレストリーナの部屋。夕暮(瞑想的な前奏曲で全幕のうち一番短い幕である)牢に入れられパレストリーナは、息子イギーノが楽譜を渡したので解放され、椅子に休んでいる。
パレストリーナの作曲したミサ曲が教皇の前で演奏された。歌手達が今鳴っているパレストリーナのミサを聴いて「パレストリーナ、音楽の救世主!」という歓呼の声が上がる。教皇は、このミサ曲に大変感銘し、パレストリーナを深く称賛し、システィーナ礼拝堂の楽長に任命した。ローマ枢機卿ボローメオは彼に牢獄していた罪を詫び、抱擁をかわし出て行く。ひとりパレストリーナは「主よ、今こそ私は貴方の幾千の輪の一つにつながれています」と神に祈る。最後のニ短調の和音からパレストリーナが即興で弾くオルガンのたった一つの二音が優しく残り、幕を閉じる。
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