第3幕 第1場/牢獄
 リマ長官のドン・ペドロとパナテッラス伯爵が、牢の中のピキロに向かい「勇敢な行動だった!」と彼を褒め去っていく。ピキロがふてくされて寝ていると、今度はこっそりぺリコールがやってきた。彼女は「やっぱり貴方が好きなの!」と、自分がまだ総督のものにはなっていないことを告げ許しを請うと、ピキロもすぐにぺリコールへの愛情を思い出して彼女を許し、2人は抱き合った。ぺリコールは何とかピキロを助けようと、総督から貰った宝石を看守に渡し買収を試みるが、何とその看守は変装した総督だった。怒った総督は2人を牢に繋ぎ、ぺリコールが自分のものになるなら助けてやると言い去っていった。
 暫くすると2人の元に1人の囚人がやってきた。年老いた彼は脱獄を企てていて、2人の鎖を外してやると3人は協力して牢から逃げ出そうと話し合った。早速ぺリコールが総督に向けて「貴方を敬愛しています…」と歌うと、総督は騙されすぐにやって来たので、3人は総督を縛りあげ脱獄してしまう。
第2場/リマの街中の広場
 総督は何とかピキロとぺリコールの2人を捕まえようと必死になり、多くの衛兵を出動させた。街中にはキャバレー「3人いとこ」の女たちが歌うワルツが流れている。なかなか2人が見つからず苛立つ総督の元に、歌手をしていた時の衣装を着たピキロとぺリコールが現れた。2人は総督に向かい、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス(尊厳なる者)の温情を讃えた歌を歌い、総督の怒りを鎮めることに成功する。総督は2人を許すことにしたが、一緒に逃げ出した老囚だけは牢獄に逆戻りとなった。ただ彼はナイフを隠し持っていたので、不安そうな素振りはなかったが…。
 自由の身となったピキロとぺリコールが、かつて街中で歌っていた「スペイン男の歌」を歌うと、周りの者たちも調子を合わせ楽しく歌い出した。(幕)
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