第3幕
なまず横丁の夕暮れ。嵐の犠牲者たちを悼んで、弔問客たちが葬儀の曲をうたっている。そこへクラウンが忍び込み、ナイフを片手にポーギーの小屋に忍び寄る。これに気付いたポーギーは、逆に格闘の末クラウンを刺殺してしまう。勝利を得たポーギーは、「ベス、お前はポーギーを勝ち取ったぞ」と誇らしく叫ぶのだった。
なまず横町の翌日の午後。刑事と検視人が、クラウン殺しの犯人捜査にやって来る。最初はセリナを疑っていたがアリバイ成立、中庭の反対側のポーギーの小屋に来る。彼らはポーギーに嫌疑はかけていないが、死体確認のために出頭しろという。スポーティン・ライフが、真犯人は死体をみるとその傷口から、血が迸ると脅すのでポーギーは震え上がる。ポーギーが連行されると、スポーティン・ライフはベスに言い寄り、一緒に来ればいい暮らしを保証すると、「ニューヨーク行きの船が出る」をうたう。ポーギーがいつ戻るか分からない現在、覚醒剤の誘惑とこの言葉に抗し切れず、ベスはスポーティン・ライフにしたがう。
1週間後のなまず横丁。許されて帰ったポーギーは、ベスがいなくなったのを知って、「ベスはどこへ行った?」と聞くが、隣人たちは当然ながら沈黙する。やっと行き先がニューヨークだと分かると、ヤギ車を用意してベスを探すために、ニューヨークへと目指して旅立つ。そして霊歌風のフィナーレ「おお、神様、俺は出かけます」で、ポーギーと合唱が唱和して、このオペラの全曲が閉じられる。
(C) 出谷 啓
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