【あらすじ】
第1幕
第1場 森の中
辺りは深い森の中。生き物達が次々と現れて忙しそうに駆け回り、青トンボは木々の間を縫って踊っている。そこに森番が「嵐が来そうだ」と歌いながら登場し、一休みしようと横になる。森は生き物達の音楽会になる。バッタのバイオリンに合わせ蛙が歌っている。その歌に誘われてやって来た狐の少女ビストロウシュカに驚いた蛙が、居眠りをしている森番の顔に飛び乗り、森番は「冷たい!」と叫ぶ。目を覚ました森番は青トンボに見とれているビストロウシュカを見つけ、「子供が喜ぶぞ」と言って、家に連れ帰る。
第2場 森番の庭
森番の庭でビストロウシュカは近所の子供達にいじめられ逃げ回っている。騒ぎを聞きつけた森番が子供達を追い払うが、自由を失ったビストロウシュカの心は晴れない。すると番犬ラパークが近づいて来て「嘆くな、オレも一人だ。恋も知らない」と歌う。それに答えてビストロウシュカも「私も恋の経験はないけど、鳥たちのおしゃべりから色々教わったわ」と話す。そこに森番の子供たちが現れ、ビストロウシュカを再びいじめだす。怒ったビストロウシュカは子供の足に噛みつき、森番に縄で繋がれてしまう。犬のラパークが先輩ぶって「俺のように人間とはうまくやらなきゃ」とお説教をするので、ビストロウシュカは気に入らない。その時、雄鶏が現れて「卵を産め!雛をかえそう!」と騒ぎたてる。従順な雌鶏達は、せっせと卵を産み温めている。雄鶏はビストロウシュカの所にもやって来て「役立たず」と馬鹿にする。たまりかねたビストロウシュカは「姉妹達、平等な世界を作るんだ!雄鶏の意のままになるな!」と叫び、憤死を装う。様子を見に来た鶏達を待ち構えていたビストロウシュカは、まず雄鶏を殺し、縄を噛み切り、逃げ惑う雌鶏達も殺してしまう。慌てた森番の妻は箒を持ってビストロウシュカを追い、森番が銃を撃つ。しかし、すばしっこいビストロウシュカは森の中に逃げて行く。
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