第2場:ライン河を見下ろす山頂の野原
明け方、奥にはワルハル城が見える。まどろんでいる大神ヴォータンを妻の女神フリッカが起こす。目の前に新造されたワルハル城が現れ二人は感激する。この新しい城は巨人族のファゾルトとファフナー兄弟が、世界征服の野望に燃える大神ヴォータンのために建造したが、その報酬として、フリッカの妹である美の神フライアを捧げると契約していた。しかしフライアはこの兄弟との結婚を拒み逃げてきた。兄弟はフライアを追ってくる。ヴォータンに続き、騒ぎを聞きつけた雷の神ドンナーと幸福の神フローが助けようとするが、らちがあかない。そこに策略家の火の神ローゲが現れる。元々フライアを差し出し、代わりに城を建設させるという策はこのローゲが出したものだ。ローゲはさんざんじらした後、先のラインの黄金の物語を語る。「ニーベルング族の小人アルベリヒが、ラインの乙女から黄金を奪い、その黄金から世界征服が叶う指輪を作った。この指輪は愛を断念した者だけが魔力を得ることができるが、今なら愛の断念なしにこの指輪が手に入る…」 この話に興味を持った巨人の兄弟は、この黄金と交換する条件でフライアを返すといい、 それまではフライアを人質として連れて行く。美の神フライアが去ると、神々は年老いてしまう。神々はフライアの庭にある黄金色のリンゴを毎日一個ずつ食べることにより若さを保っていたのだ。神々は相談の結果、ヴォータンが地底のニーベルング族の所へゆき、アルベリヒからその黄金を奪い取ることにする。ローゲの案内でヴォータンは硫黄の煙る地下へと降りてゆく。舞台転換。
つづく
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