リエンツィ/リエンツィ最後の護民官
Rienzi, der Letzte der Tribunen
作曲:リヒャルト・ヴァーグナー/Richard Wagner (1813~1883)リエンツィ
原作:エドワード・ブルワー=リットン/Sir Edward Bulwer-Lytton(1803~1873)
「リエンツィ、最後の護民官」
台本:リヒャルト・ヴァーグナー(作曲者)ドイツ語
初演:ドレスデン、ザクセン宮廷歌劇場/1842年10月20 日
演奏時間:3時間40分(序曲11分,第1幕42分,第2幕65分,第3幕45分,第4幕24分,第5幕33分)
楽器構成:2Fl(Pic),2Ob,2Cl,2Fg,K-fg/4Hr,4Tp,3Trb/Timp,Perc(Tamb,Trg,Cym,BD)/Str
Banda:Bell,6Tp,6Tb,3Ophicleide(Tub),Milit-Dr,2SD,Org
概説:ワーグナーにとって「リエンツィ」は第3作目のオペラ作品となる。1837年に小説「リエンツィ、最後の護民官」を読み興味を持ち、リガ(ラトビア共和国)滞在中の1838年に台本が完成した。すぐに作曲が始められたが、経済的な理由からパリに移り、困窮生活のなか1840年に完成した。1842年にドレスデンで初演され、6時間にもおよぶ超大作は聴衆の熱い歓迎をうけた。1873年までにドレスデンでは100回の公演が行われ、その後もヨーロッパ、アメリカと人気を博していった。ワーグナーはこのオペラの成功により、1842年ドレスデン宮廷歌劇場の楽長に就任した。「リエンツィ」はフランススタイルのグランドオペラを踏襲しながら、「未来型の芸術」として取り組んだ意欲作で、ワーグナーは、ここでかつてないほどに豪華で大掛かりなオペラを目指した。そのために劇場の大きさや長大な上演時間など、さまざまな困難を抱えることになる。後年ワーグナー自身が日記で「リエンツィは私にとって不快だが、その中に燃える炎は認めるべきだ。」と書いている。ワーグナーはこの熱い試みを経て、「さまよえるオランダ人」「タンホイザー」などで発展させた「未来型の芸術」を「ニーベルングの指輪」、さらには「トリスタンとイゾルテ」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」などの、壮大なドイツロマン主義歌劇として確立していく。
by MI
最終更新:2009年1月8日
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