第5幕 カピトールの大広間と前にある広場
リエンツィはただ一人、小さな祭壇の前にひざまずき神に祈っている。静寂のなか、名アリア「神よ守りたまえ」が歌われる。イレーネが入って来る。リエンツィは、今や神とイレーネだけが支えであると告げ、二人は固く抱き合う。そしてリエンツィはイレーネにアドリアーノの元に行くように急き立てる。しかしイレーネは聞かなかった。リエンツィが最後の望みをかけて市民に再び真実を語ろうと去った後にアドリアーノがやって来る。アドリアーノは何としてもイレーネを説得しようするが、イレーネの決意を変えることはできない。暴徒化した市民がカピトールの宮殿に石を投げ込み火を放つ。リエンツィの話に耳を貸す者はもはやいない。ついにリエンツィ、イレーネとアドリアーノの三人は、焼け落ちるカピトール宮殿とともに非業の死を遂げ、大悲劇の幕が降りる。
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