【あらすじ】
時と所:7世紀・ミラノ
第1幕 第1場/宮廷
ベルタリドは父親から王位を継いだものの、べネヴェント公爵グリモアルドに王位を剥奪され、妻子を残しハンガリーへ亡命した。しかし自ら死の噂を流し、今は変装して密かにミラノへ戻って来ている。王座を奪ったグリモアルドは、元王ベルタリドの妹エディーチェと婚約しているにも関わらず、自分の地位を強固にするため夫の死を嘆くロデリンダ王妃に求婚するが、勿論ロデリンダは激しく彼を拒絶する(王妃のアリア「私は愛する人を失いました Ho perduto il caro sposo)。
一方トリノ公爵のガリバルドは、友人であるグリモアルドに「王妃と結婚するには、エディーチェとの婚約を解消しなければ」と忠告し、裏ではそのエディーチェに愛を告白する。しかしガリバルドは彼女を愛している訳ではなく、元王のまだ幼い息子より妹の方が王位に近い存在と目論んでいるだけ。彼もまた王位を狙う一人だった。
第2場/森の中の墓地
ハンガリーの民族衣装に身を包んだ元王ベルタリドは、自分の墓の前でその墓碑を読むと「貴女は何処に?愛しい人よ Dove sei, amato bene」と、愛する妻に想いを馳せ歌う。友人のウヌルフォがやって来て彼を慰めるが、ベルタリドの心は重く沈んだままだ。そこへ人の来る気配がするので、二人は茂みに身を隠す。現れたのはベルタリドの妻ロデリンダと息子のフラヴィオ。ロデリンダが墓の前で夫の死を嘆いている処へ、今度はトリノ公爵ガリバルドがやって来た。ガリバルドはいきなり幼いフラヴィオを人質に取ると「グリモアルドの求婚を受けなければ息子の命はない!」とロデリンダを脅し、彼女は仕方なく要求を受け入れる。しかし去り際にガリバルドに向かい「結婚したら夫からの最初のプレゼントはあなたの首を貰います!」とガリバルドを睨み付けた。その鋭い眼差しにガリバルドは一瞬うろたえるが、後から来たグリモアルドに身の安全を保障してもらい胸を撫で下ろす。茂みから全てを見ていたベルタリドは、仕方のないこととはいえ結婚を受け入れた妻の裏切りに怒りを覚える。
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