第1幕 夜中のゴルマス城下
ロドリーグはエルナンとベルムードの二人の弟達を引き連れ、シメーヌに逢うため、ゴルマスの城の麓まで来ている。しかし、残念なことに窓は閉められている。暫く様子を窺っていると、窓に灯りが点く。シメーヌがスカーフでの合図を送り、イニェスをお供に城から出てくる。そこでロドリーグとシメーヌは、互いの愛を確かめ合う。遠くからゴルマスの兵士達が戦いの準備をする様子が窺える。エルナンとベルムードがロドリーグをこの場から離れるよう促し、イニェスも同様にシメーヌをお城に戻らせようとする。名残り惜しくロドリーグとシメーヌは引き離される。ゴルマスの兵士達は酒を酌み交わし、陽気に夜明けを待つ。そこにビヴァールの娘達が、ゴルマスの城下に夜明けの美しさを満喫しながら、野を歩いてくる。しかし、誤ってゴルマスの領土に迷いこんでしまう。ゴルマスの兵士達は娘達が来たことを喜び、口説こうとする。娘達は嫌がり、その粗暴さから逃れようとするが、相手は精鋭。簡単に難から逃れられず、大声で助けを求める。そこへ、ビヴァールの領主ドン・ディエーグが駆けつけ、助けに入る。この騒ぎにゴルマスの領主ドン・ゴメスが現われ、ドン・ディエーグと一戦交えることになる。しかレドン・ディエーグはその年齢から現役を退いた戦士。現役であるドン・ゴメスに勝てるわけがなく、簡単に負けてしまう。ドン・ゴメスはその様を嘲笑し、この場から兵を引き連れ、立ち去る。一人残ったドン・ディエーグは自分の力なき老いていく姿を悲観し、名誉を傷つけられた今、生きていく意味があるのかを自問自答するアリアを歌い、幕となる。

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