第3幕 ブルゴス近辺の国王の野営地
国王の直属の兵士達が戦いの合間に酒を酌み交わしている。そこへ国王の登場を知らせるファンファーレが鳴り、従者と共に国王が到着する。兵士達は王を讃える。ドン・ジュアンは自らの国王への誓いを述べ、ドン・ペドゥルも自分は100人の兵を引き連れ国王のもとへ参上したと報告する。国王が最も信頼するドン・ゴメスがいないことを近衛に告げると、そこヘドン・ゴメスの亡骸とともにシメーヌが現れる。シメーヌは父親を殺害された裁きをと国王へ直訴する。ドン・ディエーグもその場に駆けつけ、公平な裁きを求める。国王はロドリーグがこの場にいないため、裁きを急がず野営テントに入る。シメーヌは国王に裁判を持ちかけたが、内心はまだロドリーグを愛しているとイニェスに告白する。ここでシメーヌは自らの背負った不幸な境遇を歌い上げる。そこヘロドリーグが現われ、彼女の父親であるドン・ゴメスを死に至らしめたこの剣でもって自分を殺してくれとシメーヌに嘆願する。シメーヌは決断することなくその場を立ち去ってしまう。一人残されたロドリーグは狂乱するが、駆けつけた父親、弟たちに諌められ、スペイン国家のために戦場で命絶やすことも、今、命あるこの自らの境遇が全てシメーヌヘの愛に成り得ると確信する。残された命をシメーヌヘの愛とともに生きる覚悟で戦場へ向かうべく、高らかに剣を上げて幕となる。
(C)東京オペラプロデュース
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