<第5幕>
第1場/休憩地
婚約者リュドミーラを取り返したルスラン一行の立ち寄った休憩地で、ハザール国王子ラトミールは、見張りをしながら再会した侍女ゴリスラーヴァへの愛を歌っていた。
そこへ同行してきた奴隷の一人がやってきて、再びリュドミーラ姫がさらわれたと、ルスランは既に彼女を追って出発したと告げた。すると突然魔法使いのフィン老人が現れ、リュドミーラをさらったのはワリャーグ国王子のファルラフだと教えた。ファルラフはリュドミーラを連れ帰り、手柄を横取りするつもりなのだ。フィン老人はラトミールに「この指輪でリュドミーラは目覚めることができる。これをルスランに渡すように。」と言い、魔法の指輪を手渡した。
第2場/スヴェトザールの宮殿
宮殿内の一室のベッドで、キエフ国大公スヴェトザールの娘リュドミーラが横たわっている。死んだように眠り、目を覚まさない彼女を心配して、城中の者が集まっている。彼女を連れ帰ったワリャーグ国王子のファルラフは、これは一体どうしたことかと大公に詰め寄られ、すっかり困り果てていた。するとそこへリュドミーラを救った婚約者のルスランが現れ、持っていた指輪を彼女に近づけた。するとリュドミーラはパッチリと目を覚まし、愛するルスランと感激の再会を果たす。大公を始めとする周りの皆も歓喜の声をあげた。ファルラフは悪事がばれるのを恐れ、一目散に逃げ出した。
城中が喜びに包まれ、一同は結婚式のやり直しとばかりに祝宴で盛り上がる。そこには中睦まじい様子の、ラトミールとゴリスラーヴァの姿もあった。(背景はキエフ国の風景に変わっている)
2人に幸あれと、国に栄えあれと人々の大合唱の中、幕となる。
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