【あらすじ】 時と場所:特に定められていない。半伝説的・半歴史的な時代。ノヴゴロドおよび海底
<前奏曲>
大洋-大海原と名付けられ、低弦の三度下降による海のうねりのような音形。この楽想が歌劇全体の構想を暗示するとともに、たびたび海の場面で使われる。
<第1幕>
第1場/ノヴゴロドの商人組合会館の大広間 商人組合の大宴会
キエフから来たグースリ弾きのネジャータが、古い英雄ヴォールフの手柄を称えるヴィリーナを歌う。(Strunk k strunachke ty nat'agivaj)-(Prasvet'a svetel mes'ats na nebe ) 商人たちも触発されて歌う合唱。そこにノヴゴロドのグースリ弾きのサトコが現れる。皆がノヴゴロドの栄光を歌ってくれと頼むが、サトコは断る。レチタティーヴォとアリア<もしあたしに大金があったら>(Kaby byla un min'a zalata kazna)。彼は商人たちに「おれに金があったら船をつらねて世界の海を乗り回す」と皮肉を言う。頑固で大胆な彼の態度に商人たちは怒り、彼を宴席から追い出す。去った後、道化師たちが歌と踊りで彼に皮肉を言い返す。(Goj,ty,Sat-Satko,dobryj moladets)舞曲調でリムスキーコルサコフが収集した民謡の原型に基づいている。
第2場/ イルメン湖のほとり、夏の夜
サトコは湖のほとりでグースリを手に想いにひたっていると、幻想的な音楽が高まって、白鳥たちが、岸に近づき、やがて海王の娘たちの姿となる。その中でひときわ美しい白鳥は、海王の娘ヴォルホヴァである。彼女は姉たちが海の精たちと結婚しているが、自分は人間と結婚しなければならない運命だとサトコに言う。そしてヴォルホヴァは「サトコが三尾の金色の魚を捕えることによって、世界の海へ貿易に出られるようになるだろう」と予言する。二人の二重唱と白鳥の娘たちは消えていく。
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