セルセ
【あらすじ】
時と所:紀元前480年・ペルシャ帝国(現在のイランを中心としていた国家)
<第1幕>
第1場/離宮の庭園
ペルシャの若き王セルセは、プラタナスの樹の陰で心地よく休んでいた(樹木の陰で「Ombra mai fu」を歌う)。セルセはそこへやってきた軍指揮官アリオダーテの娘ロミルダを一目で気に入り、弟アルサメーネに彼女との仲を取り持つよう命じた。ところがロミルダは弟アルサメーネの恋人であったため、セルセを拒む。2人の仲が分かり怒ったセルセは、弟にロミルダと別れるか国を出ていくかの選択を迫り、アルサメーネは国を追われることとなる。邪魔者を追い払ったセルセは、何とかロミルダを自分のものにしようと画策した。
第2場/王宮の中庭
ロミルダの父アリオダーテが、勝ち戦で軍を率いて凱旋した。凱旋式の際セルセは「褒美として娘ロミルダを王家の妃として迎えよう」と自分との結婚を示唆する。ところがその場には、兵士に変装したセルセの婚約者アマストレが居合わせていて、彼の心変わりに大きなショックを受けていた。一方恋人を想い沈んでいるロミルダは、妹アタランタに「アルサメーネの愛は冷めてしまっているようなので、王の求愛を受けたらいい」と勧められていた。実はこのアタランタは、密かに姉の恋人アルサメーネに想いを寄せていて、この状況を誰よりも喜んでいるのだった。ロミルダはそれをきつく拒否するが、心の中には不安が広がっていく。その頃国を追われたアルサメーネは、従僕エルヴィーロにロミルダへの手紙を託した。エルヴィーロは、自分も一緒に追放された身なので、手紙を渡しに行くことは不可能だと一度はそれを断る。しかしアルサメーネの切望に負け、変装すればどうにかなると手紙を預かり去って行った。
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