【あらすじ】
時と所:17世紀・フランス
プロローグ/宮廷の大広間
城の大広間でフロレスタン王と王妃の娘、オーロラ姫誕生の洗礼式が行われている。祝いの席には姫の名付け親であるリラの精を始め、様々な妖精達が招かれ、各々が姫へ素晴らしい才能や性格といった贈りものを捧げている。<優美の精,無邪気さの精,食べ物の精,歌うカナリアの精(呑気の精),激しさの精(健康の精),リラの精(知恵の精)>
するとそこへ突然不穏な空気が流れ、恐ろしい邪悪の精カラボスが現れた。腰の曲がった老婆カラボスは、自分が式典に招待されなかったことを怒っていた。実は式典長であるカンタルビュットが、カラボスは既に死んでいると勘違いし、彼女への招待状を出さなかったのだ。怒り狂ったカラボスは、姫への贈りものだと言い「オーロラ姫は紡針で指を刺し、命を落とすことになるだろう!」と予言した。しかしリラの精がカラボスを追う払うと「姫は死ぬのではなく百年の眠りにつくだけで、やがて現れる彼女を愛する王子のキスによって目覚めるであろう!」と予言し直した。フロレスタン王は、娘に不幸が降り掛からないようにと、その日以降国中の針の使用を禁止した。
第1幕/宮廷の庭
16才になったオーロラ姫は、妖精達の贈りもの通りの素晴らしい娘に成長していた。今日は遠方の国から姫の花婿候補が4人もやってくるということで、宮廷の庭では祝宴が開かれ、村の若者達や子供達が楽しげに踊っていた。途中禁止されているはずの針を持って編み物をしている村娘達に、フロレスタン王が怒り狂う場面もあったが、おめでたい席ということで周りからなだめられ、その日彼女達が罰せられることはなかった。オーロラ姫は4人の王子達からバラの花を受け取りそれぞれと踊ったが、特に心ときめく相手はいないようだった。その後召使い達や王子達が踊っている間に、オーロラ姫の前にバラの花を持った一人の老婆が近付いてきた。姫が老婆から花を受け取ると、そこには長い紡針が隠されていた。針を見たことのないオーロラ姫は、珍しい物だと針を手にして踊っていたが、やがて針は彼女の指を刺し、姫はそこへバッタリと倒れてしまう。すると突然老婆は顔を隠していた布を脱ぎ捨て、邪悪の精カラボスが姿を現した。カラボスは高らかに笑うと、剣を手に斬りかかる4人の王子達をよそに、その場から姿を消した。皆がオーロラ姫の不幸を嘆いていると、そこへ魔法の杖を持ったリラの精が現れ、約束通り姫を死ではなく永い眠りにつかせると告げた。そしてリラの精は城中全ての者をも眠らせ、やがて城は森の茂みの中となる。
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