第3幕
第1場/牢獄
 夜。囚われたジムは「空が明るくなると、呪われた日が始まる Wenn der Himmel hell wird, dann beginnt ein verdaemmter Tag.」と歌う。
第2場/法廷「マハゴニーの法廷は、他と比べてそう悪くなかった」
 法廷用のテントでは裁判が行われ、弁護士席にはファッティ、裁判官席にはべグビックが座っていた。モーゼスは傍聴券を売っている。被告のトビー・ヒギンズは殺人罪だったが、法廷中裁判官のべグビックに指を使った賄賂の金額表示をして無罪となった。続いて出廷したジムの罪状はジェニーへの売春強要罪、台風の夜禁止令を破り街の平穏を乱した罪、ジョーに闘いをけしかけ死なせた罪、酒場の酒代と備品の修理代を踏み倒した罪だった。一つ一つに数日間の拘留だの数年間の保護観察だのと判決が出たが、最終的にはお金を持たないことが最大の罪となり、ジムの死刑が決まった。誰からも金を借りられず、賄賂も用意出来ないジムは、ただ死刑宣告を受けるしかなかった。その時男たちが新聞でベナレスの地震のニュースを見て騒ぎ出した。
第3場/処刑場「ジムの処刑を見たくない方もいるでしょう。しかし皆さんも彼の代わりに支払いはできないでしょう?この時代お金とは偉大なものなのです!」
 街の処刑場に電気椅子が置かれ、人々が何ヶ所かに分かれて周りを囲んでいる。モーゼスに連れられたジムが、ジェニーとビルと共にやって来る。ジムはジェニーと二重唱を歌うと、2人はキスをして互いに別れを告げた。ジムは幸せをお金で買おうとした自分の愚かさを呪いながら、最後に水を欲するがそれも聞き入れられず、モーゼスにより電気椅子のスイッチが入れられた。
第4場/「街最後の日、混乱や物価の暴騰や争いが続く中で、生き残った人々は互いに不確かな理想を求めながらデモ活動をしている」(背景は燃え盛るマハゴニー市)
 べグビック、ファッティ、モーゼスの3人が「平和も満足もない腐った世界に、ただマハゴニーを作っただけなのに…」と歌っている所へ、数人の男たちがやって来る。男たちは「お金を」「全てに対しての戦いを」と書かれたプラカードを掲げていて、続いてやって来たグループの男たちも「資産を」「窃盗を」「愛を」「安く手に入る愛を」「限りない命を」「制限なき殺人を」とのプラカードを持っている。次の数名のプラカードには「世間の物品の不当な配布を」「世俗的でない物品の正当な配布を」と書かれている。ジムの棺を運びながら「死んだ者は救えない Koennen einem toten Mann nicht helfen」と歌う男たちの先頭では、ビルが「正義を」というプラカードを持ち、その横ではジェニーと若い娘たちがジムの遺品を手に「ああアラバマの月よ…」と再びアラバマ・ソングを歌いながら歩く。そして最後には全員で「我々もあなたたちも、誰も救われることはない!koennen uns und euch und niemand helfen!」と歌いながら、皆で客席の方に向かって進んで行き幕となる。 
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