第3幕
第1場/城内の控えの間
スタンカー伯爵が自らの娘であり、スティッフェリオの妻でもあるリーナの不祥事を嘆き怒り<リーナは天使と思っていたのに>(Lina,pensai che un angelo)を歌う。彼は思い余って自殺をしようと銃を取り上げる。その時、老牧師ヨルグが、リーナの愛人ラッファエーレがやって来る事を告げに現れる。スタンカー伯爵は「自殺よりも彼に復讐することが先だ」といって退場する。スティッフェリオに続いてラッファエーレが現れる。スティッフェリオは彼に、もしリーナが離婚したらどうするか質問をする。ラッファエーレが動揺するので、彼を別室に行かせて、妻のリーナを呼び、離婚の書類を彼女の前に出す。彼女はそれに仕方なくサインするが、本当は夫を一番愛しているといい、ラッファエーレには騙された挙句に関係が出来てしまったと、泣いて許しを乞う。「それが本当ならば彼と決闘してけりをつける」とスティッフェリオは叫ぶ。その時スタンカー伯爵が血塗られた短剣を手に現れ、ラッファエーレを殺したことを知らせる。さらに老牧師ヨルグがやって来て、早く教会で説教をするようにスティッフェリオを急がせる。
第2場/教会
オルガンと賛美歌の中、リーナの父スタンカー伯爵は、人を殺した罪の許しを、リーナは姦通の罪の許しを神に乞う。牧師スティッフェリオが現れて、ヨハネ伝8章『罪なき者はこの女に石を投げよ』を読み、『そして彼女は立ち上がり、赦された』という部分にさしかかると、説教者であるスティッフェリオ自身が感動し、泣きじゃくるリーナに壇上から声をかけ、一同がこの言葉をくり返し幕となる。(幕)
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