<第2幕>
タメルラーノの宮殿
第1〜3場 タメルラーノはアステリアとの婚礼の準備をするように命じ、意気揚々と「我らの愛は光輝く!」と歌う。嫉妬に苦しむアンドロニコは、アステリアが玉座の魅力に負けたと非難し「国も命も捨てる!」と訴える。しかしアステリアは「もう手遅れです。心は一人に捧げても、手は別の方へ」と歌う。失意のアンドロニコは「絶望が私を包み、暗闇で港を捜す船のようだ」と歌い、バヤゼットに助けを求めようと考える。
第4〜6場 タメルラーノとアステリアが手をとって登場する。そこにイレーネが侍女に扮して現れ「イレーネ王女はタメルラーノ様との結婚がないのなら国に帰ります」と苦言を呈する。タメルラーノは「私の代わりにギリシャ王アンドロニコとの結婚が用意されている」と告げるとその場を去る。するとアステリアがイレーネに近づき「タメルラーノは私を憎むようになるでしょう」と耳打ちし、祖国に帰らないように忠告する。それを聞いたイレーネは「ほのかな光が差し込み、心を慰める」と歌う。
第7〜8場 アンドロニコは「アステリアがタメルラーノの寝室に入って行くのを目撃した」とバヤゼットに知らせる。憤慨したバヤゼットは「オスマンの名誉にかけてアステリアを玉座から引きずり下ろす」と歌い苦悩に顔を歪める。
第9場 タメルラーノから玉座に誘われたアステリアは胸に短刀を忍ばせ「思いのままに」と答える。するとそこにバヤゼットが乗り込み「誇り高きオスマンの血を!」と叫ぶ。タメルラーノの逆鱗に触れることを怖れたアステリアは跪き、父親の命乞いをする。それを見たバヤゼットは「臆病風に吹かれたか!父を踏み越えて行くがよい!」と玉座の前に横たわり、タメルラーノの怒りを更に煽り、連行させてしまう。
第10場 タメルラーノは改めてアンドロニコに婚約を成立させた謝辞を述べ、恩賞としてイレーネを呼ぶ。侍女に扮するイレーネが現れ「タタール帝国の玉座と、妃の座がない限りイレーネ様は来ません」と訴えると、タメルラーノは「アステリアが玉座を譲らない限り望みはない」と嘲笑う。他国で孤立するイレーネは「私の味方はいない」と不安な心を歌う。ついにアステリアは本心を明かし、懐から短刀を出すと「これが私の復讐だった!」と玉座を拒否する。怒りに震えるタメルラーノは「私の愛を裏切った二人に百もの死をあたえる!」と叫ぶ。バヤゼットとアステリアは「本望です!勇敢なる死を!」と歌い和解する。アンドロニコも誤解を解きお互いに許し合う。イレーネは「言葉通り恋人を返してくれた」とアステリアに感謝し誠意を誓う。

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