〈第3幕〉
ヴァルトブルク郊外の谷間。
第1場:エリーザベトとヴォルフラムがタンホイザーの帰還を待っていると、ローマから巡礼の一行が戻ってくる(巡礼の合唱2)。しかし、その中にタンホイザーの姿はない。エリーザベトは自分を犠牲にしてほしいと聖母マリアに祈りを捧げる(エリーザベトの祈り)。
第2場:ヴォルフラムは去っていくエリーザベトのあとを見送り、ひとり竪琴を奏でて歌っていると(夕星の歌)、見違えるほどやつれはてたタンホイザーが現れる。
第3場:タンホイザーはローマ巡礼のつらい旅の経緯と教皇から許しが得られなかったことを語る(ローマ語り)。教皇は「わが杖に芽が吹かないかぎり、ヴェーヌスベルクに行った者は永遠に救われない」と宣言したのだった。絶望してヴェーヌスベルクに戻ろうとするタンホイザーをヴォルフラムは、エリーザベトの名を叫んで引き止める。そのひと言でタンホイザーには贖罪の意識が目覚め、運ばれてきたエリーザベトの棺の前で息絶える。ローマからの巡礼の人々が芽を吹いた杖を持ってやってくると、奇蹟が起ってタンホイザーが許されたことを一同が讃えて歌う。(幕)
(C) 吉田 真
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