【基礎データ】
炎の天使
The Fiery Angel
Der feurige Engel
作曲:セルゲイ・セルゲーエヴィチ・プロコフィエフ
Sergey Sergeyevichi Prokofiev(1891~1953)
台本:作曲者、ロシア語
原作:ヴァレリイ・ヤコフレヴィッチ・ブリューソフ/Valery Yakovlevichi Bryusov(1873~1924),ロシア語
初演:1955年9月14日、ヴェネツィア/Venezia、フェニーチェ劇場/Theatro La Fenice
(2幕のみの短縮版は1928年パリ/Paris,オペラ座/L'Opera)
演奏時間:(第1幕33分,第2幕第1場17分,第2場6分,第3幕第1場18分,第2場7分、第4幕18分,第5幕20分)合計約2時間
楽器編成:
3Fl(2Pic),2Ob,EH,2Cl,Bs-Cl,3Fg(K-Fg),4Hr,3Tp,3Tb,Tub/Tim,Perc(BD,Cym,SD,TT,Cast,Tamb,Trgl,Bell)/2Hp/Str
概説:「炎の天使」はプロコフィエフがロシア革命を逃れて、アメリカに亡命中の1919年~1927年に書き上げたオペラである。翌1928年に予定された初演は、スコアの改訂が間に合わず見送られ、その後も追加の場面の書き直しなどが遅延し何度も上演の機会を逃すこととなる。プロコフィエフは1936年にソ連に帰国するが、社会主義となった母国にこのオペラを受け入れる体制はなく「炎の天使」はお蔵入りとなってしまった。ようやく初演が実現したのは1955年のことで、プロコフィエフ没後2年、ついに彼は「炎の天使」の上演を見ることは出来なかった。原作であるロシア象徴主義者ブリューソフは、神がかりの主人公レナータが探し求める「炎の天使」への激しい恋心と、レナータに翻弄される騎士ルプレヒトの悲恋を描いたが、それは超現実の悪霊世界を通して、現実の不確実さと、その不条理さを強烈に浮かび上がらせると同時に、原作者自身の三角関係から生み出された、まさに現実の恋物語でもあった。
by MI
最終更新:2009年8月10日

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