第3幕
第1場 スローチンツィ通りの夜
鍋を被って逃げ出してきたチェレヴィークと教父を、ジプシーは泥棒と勘違いして縛り上げてしまう。そこに予期せず通りかかったグリツィコは、二人を解放するようジプシーと交渉する代わりに、パラーシャとの結婚を認めてほしいと申し出る。チェレヴィークは喜んで結婚を認め、ジプシーには明日必ず牛を渡すと約束する。騒動が落着し、一人その場に残ったグリツィコは眠りに落ち、パラーシャの夢を見る。この「若い農夫の夢」はチェルノボークという魔女が取り仕切る悪魔の安息日を描いた合唱付きバレエ曲「禿山の聖ヨハネ祭の夜」で表現される。明け方になり、遠くから聖教者の歌う声が聞こえてくると、悪魔たちは呻き声をあげて消えてゆく。朝日が差し込みグリツィコは目を覚ます。
第2場 教父の家の前
朝になりパラーシャは玄関先でグリツィコを想い、結婚の不安を振り払うようにゴパックを踊りだす。そこにやって来たグリツィコも一緒に踊りだす。家から出て来た教父は「お父さんが結婚を承諾したので晴れて花嫁だ!」と告げ、喜んだパラーシャとグリツィコは祝福しあう。一方恐妻家のチェレヴィークは、ヒーヴリャがショールを買いに行っている間に結婚式を挙げてしまおうと企むが、息せき切って戻って来たヒーヴリャは「こんなことを許すくらいなら、いっそ全て焼き尽くすわ!」と喚き散らす。するとジプシー達がヒーヴリャを捕まえ連れ去ってしまう。チェレヴィークと人々は結婚を祝って晴れやかに踊る。やがて人々が去り、誰もいなくなったソローチンツィ通りに暖かい日の光が降り注いでいる。幕
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