〈第3幕〉
第1場:フランス北西部のブルターニュ地方、カレオールにあるトリスタンの城の庭。重傷を負ったトリスタンを従者のクルヴェナルは故郷のカレオールに運んだ。死を願いながらも幼年時代に想いを馳せるトリスタン。彼の傷を治すことができるのはイゾルデだけだが、彼女はなかなか到着しない。やがて見張りをしていた羊飼いが、舟が近づいてくることを報告する。クルヴェナルの目にも船が近づくのが見える。トリスタンはイゾルデが乗っている印の旗が立っていることを聞いて喜ぶ。
第2場:クルヴェナルがイゾルデを迎えに行っているあいだ、トリスタンは重傷の身を顧みず狂喜乱舞するので、イゾルデが到着するが早いか、こと切れてしまう。嘆き悲しむイゾルデ。
第3場:そこへマルケ王の一行もやってくるので、乱心したクルヴェナルはメーロトを討ち取り、自分も戦死する。マルケ王はブランゲーネから事情を聞いて、二人を許しに来たのだったが、死者たちを前にして嘆く。やがて放心状態のイゾルデが立ち上がり、トリスタンへの愛を歌いつつ静かに息を引き取る(イゾルデの愛の死)。(幕)
(C)吉田 真
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