第2幕
第1場/城内の広間
伯爵は早速城に新妻イーダを迎え、二人は愛を語り合う。そして彼女をゆっくり休ませるよう先に別室へ行かせる。そこへジェンマの従臣グイードが、結婚指輪を返還しに現れる。伯爵はジェンマの悲痛な気持ちを思いながら「ほら、これが愛の証しだ… Ecco il pegno ch'io le porsi!」と指輪を眺め歌い、「後は世継ぎの誕生だけが我が願い」と続ける。
第2場/城内の一室
離縁されることにどうしても納得がいかないジェンマは、侍女の振りをして新妻イーダの部屋へと忍び込み「夫を誘惑した!」と激しくイーダを罵る。驚くイーダも必死で応戦するが、嫉妬に狂ったジェンマは隠し持っていた短刀でイーダを脅す。そこへ伯爵が現れイーダを放すようジェンマを説得するが、我を失ったジェンマは聞く耳を持たず、イーダを人質にあらゆる要求を伯爵に突き付ける。その時後ろからタマスがそっと近付き、ジェンマの手から短刀を奪い、イーダは伯爵の元へと逃れる。ジェンマは「お前の命を救ってやったのに!」とタマスを責めるが、タマスは「これでいいのです」とジェンマを宥める。
第3場/広間
更に悲しみの深くなったジェンマは、「伯爵の婚礼の儀はもう始まっています。諦めて私と逃げましょう」と言うタマスの説得を遮り伯爵への憎しみを露わにしたり、そうかと思うと逃げて楽になりたいと考えたり…。心は揺れ動く。しかし清らかな教会の鐘の音を耳にした瞬間、それまでの醜い憎しみや嫉妬の炎は嘘のように消え、我に返ったジェンマは結局愛する伯爵の幸せを祈り始める。ところがそこへ従臣グイードが現れ「タマスが伯爵を刺し殺した」と伝える。続いてやって来たタマスは「貴女と私の復讐を成し遂げた。これが私の愛の証し!」と言い、自らを短刀で突き刺し自害してしまう。ジェンマは再び絶望し「誰が私の叫びを非難できるのか chi m'accusa, chi mi grida」と歌うと、自分の運命を激しく呪う。(幕)
by Ikumi
RETURN
オペラ名曲辞典TOP