第5幕
総督の邸の大広間。合唱とファンファーレに続いて、アリーゴと皇女の華やかな婚礼の場面になる。捧げられた花束を抱いた皇女は、「皆さん、ありがとう」と、ボレロ調の有名なアリアをうたう。そこへプロチダがあらわれて、今こそ敵の防御が手薄になったので、今宵の婚礼の鐘の音を合図に、フランス人の虐殺が始まると告げる。皇女は死んだ兄の幻影ガちらつくと、アリーゴをこの場から逃がそうとする。事情を知らないアリーゴは、別れるぐらいなら、一緒に死のうと強く抱きしめ、同志との約束の板ばさみになった皇女は、ついにアリーゴと行動をともにする決心をする。
アリーゴが席を外した隙に、プロチダが近づいて鐘を合図に、暴動が勃発することを告げる。皇女は心労の余り、戻って来たアリーゴに、結婚式を中止して欲しいと懇願するので、アリーゴはそのプロセスを知らないので、それを聞いて憤激する。総督は2人が手を結び合わせたとき、「鐘よ鳴り響け」とプロチダが叫ぶ。夕べの鐘を合図に乱入したシチリア島民は、手に手に松明と剣を持って、フランス人たちに襲いかかる。幕。
(C) 出谷 啓
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