リヒャルト・ワーグナー
Richard Wagner
楽劇ニューベルングの指輪三部作
Der Ring des Nibelungen
第一日ワルキューレ
Die Walkuere
作曲:1854-56/初演:1870年6月26日ミュンヘン宮廷劇場
台本:作曲者
時所:神話時代
上演時間: 3時間40分(60,90,70)
楽器編成:
4Fl(2Pic),4Ob(EH),4Cl(Bas-Cl),3Fg(K-Fg)
8(4Wagnertuba2T2B),3Tp,bs-Tp,3Tb,Kb-Tb,Tub
2Tim,Tgl,Cym,TD,Glock/6Hp/Str
【概説】
《ニーベルングの指環》四部作の二作目《ワルキューレ》は一見、前作の《ラインの黄金》とは全く違う物語であるかのように始まる。この作品にはニーベルングの族のアルベリヒも「指環」も出てこないし、第1幕には神々の長ヴォータンもまだ登場しない。ワルキューレ(ヴァルキューレ)とはゲルマン神話の「戦いの乙女」で、神々の長ヴォータンに仕える9人の娘たちのこと。なかでも、知恵と大地の女神エールダの血を引くブリュンヒルデはヴォータンの最愛の娘である。一方、ヴォータンは、人間の女性との間に双子の男女をもうけたが、二人は幼いころに生き別れになっていた。アルベリヒが作った、世界の権力を手中にできる「指環」を大蛇に変身した巨人ファーフナーから奪還すべく、ヴォータンは二人の子供たちに将来の希望を託そうとしているのである。
《指環》四部作の中でも、この《ワルキューレ》は特に人気が高く、単独で上演される機会も多い。超人的なヘルデンテノールが要求される《ジークフリート》や、あまりにも規模の大きい《神々の黄昏》と比べて、オペラとしてのバランスが良く、ジークムントとジークリンデの悲劇的な愛のエピソードに加え、ヴォータンとブリュンヒルデの父娘の愛情物語も感動を誘う。また〈ワルキューレの騎行〉の音楽は、テレビや映画などでもおなじみだ。
(C) 吉田 真
最終更新:2009年10月12日
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