〈第2幕〉
荒涼とした岩山。
第1場:ヴォータンがワルキューレのブリュンヒルデに、来るべき戦いでジークムントに勝利を与えるよう命じる(ブリュンヒルデの「ホ・ヨ・ト・ホー」の叫び)。ヴォータンの妻フリッカが怒って登場。婚姻の女神であるフリッカは、妻を奪われたフンディングの訴えの正当性を認め、ヴォータンが人間の女に産ませたジークムントの略奪婚と兄妹の結婚を非難する。ヴォータンは次第にフリッカに追い詰められ、最後にはジークムントを倒すことを誓わされてしまう。
第2場:ヴォータンは、戻ってきたブリュンヒルデに向かって、自暴自棄になった感情をぶつける。ヴォータンはジークムントに希望を託すことができなくなったことで身動きが取れなくなり、ついに「終末」を望む(ヴォータンのモノローグ)。ヴォータンはブリュンヒルデにジークムントに死を与えるよう命令を変更して立ち去る。戸惑うブリュンヒルデ。
第3場:ジークムントとジークリンデが逃走している。ひと休みしたところで、ジークリンデは、愛してもいない男と結婚して身を任せた自分を恥じ、自分がジークムントにはふさわしくない女だと思えてきて、半狂乱になり気を失う。
第4場:死の告知の場。ブリュンヒルデが厳かに姿を現し、ジークムントに、彼が戦いで死に、ヴァルハル城へ行くことを宣告する。しかし、彼はジークリンデをいっしょに連れていくことができないと知ると、ヴァルハル行きをきっぱりと拒否する。ブリュンヒルデは、そこまでひとりの女を愛する男の姿に感動して、ヴォータンの命令に背き、ジークムントを救う決意をして去ってゆく。
第5場:ジークムントとフンディングの戦いのさなか、突然ブリュンヒルデが飛んできて、ジークムントに剣を振るうよう指示すると、すかさずヴォータンも現れて、ノートゥングを槍で砕いてしまう。武器を失ったジークムントはフンディングの槍に倒れる。悲鳴を上げて卒倒するジークリンデをブリュンヒルデは、剣の破片と共に連れ去る。ヴォータンは、自分の命令に背いたブリュンヒルデを追ってゆく。
(C) 吉田 真
第3幕へ
もどる
オペラ名曲辞典TOP